eラーニングの新しい規格TinCanについてお話いたします。
現在、eラーニングの規格には、SCORM(スコーム)という標準規格があります。この規格に対応した学習コンテンツは、SCORMに対応したLMSならば、どこのベンダーであっても、オープンソースLMSであっても、基本的に動作いたします。
eラーニング初期の時代、ベンダーが開発したLMSは、独自のコンテンツ仕様が要求されるものが多くありました。どのLMSでも動作するという相互運用性の面では、低く、これを解決するための、SCORMは比較的うまく機能していました。
しかし、SCORMの学習コンテンツには、「こう作らなければいけない」という制約があり、時代とともにマッチしなくなってきました。現在の学習コンテンツは、PCだけでなく、スマホやタブレットといった形態もあり、ブラウザ上で表示動作するものだけでなく、アプリケーションの形態もありSCORMでは対処できないものがでてきました。
そのため、eラーニングベンダーは、こういった状況に対処するため、SCORMより独自仕様に逆に戻りつつあるような感じです。今度どのように進むかはわかりませんが、このような状況の中で、ADLは、2013年 4月26日に新しい規格を正式にリリースしました。これがExperience APIです。もともと、この規格の開発中は、TinCanと呼んでいたため、その名称で慣れ親しんだ方は、TinCan(ブリキ缶)と呼んでいます。ADLからの正式名称はExperience APIで、現在、名称が2つあるような感じです。
TinCanを利用することで、SCORMでできなかったこと、やりずらかったことが簡単にできるようになります。今後のeラーニングのイノベーションを進めるきっかけになる可能性がありますので、今後 注目する技術になるでしょう。
TinCanのWebサイト