今回は、プログレッシブダウンロードのキャッシュについて考えてみようと思います。
プログレッシブダウンロードは、1つの動画ファイルをダウンロードしながら再生を行いますが、PC内に一時的にファイルを保存する(キャッシュファイル)としてファイルを残すことがあります。配信する立場からすると、キャッシュに溜まることでサーバー側の配信負荷を下げられるメリットがありますが、一方でそこからコピーされるのではないか?という不安も残ります。
ビデオカメラでパソコンモニタ画面を直接撮影されてしまえば、そもそも防ぎようがありませんが、再生可能なオリジナル動画をコピーされること、そして第三者から容易にWeb上の動画にアクセスされることは、未然に防ぎたいところです。
そこで今回は、まずブラウザキャッシュについて調べてみます。
調べたいことは2つ。
・ ブラウザキャッシュされるファイル形式
・ キャッシュされるファイルサイズに差があるのかどうか
※ 全体のキャッシュサイズでなく、ファイル単位の上限
Flash Media Playback Setup のサイトで検証してみました。
まず、3種類のファイル形式(MP4、FLV、F4V)をターゲットにして検証したところ、意外なことにキャッシュされないファイル形式があり、MP4形式はSafari以外はキャッシュされず、FLV、F4V形式はファイルサイズの違いによりキャッシュされました。
○ キャッシュされる
× キャッシュされない
Windows7
ファイル形式 |
Internet Explorer 10 |
Chrome 32 |
Firefox 26 |
MP4 |
× |
× |
× |
F4V |
○ |
○ |
○ |
FLV |
○ |
○ |
○ |
OS X 10.8.5
ファイル形式 |
Safari 6.1.1 |
Chrome 32 |
Firefox 26 |
MP4 |
○ |
× |
× |
F4V |
○ |
○ |
○ |
FLV |
○ |
○ |
○ |
つぎに、キャッシュ化される上限のファイルサイズを調べました。
キャッシュ化される上限
ファイル形式 |
Internet Explorer 10 |
Chrome 32 |
Firefox 26 |
Safari 6.1.1 |
Windows7 |
制限なし |
約26M |
約43M |
- |
OS X 10.8.5 |
- |
約39M |
約50M |
約9M |
なかなか中途半端なサイズになりました。もしかしたらOSやブラウザのバージョンなど環境により変わってくるかもしれませんので「違いがある」という程度に留めたほうが良いかも知れません。IEは450MB程度のサイズがキャッシュされたことで制限なしと判断しました。ただしインターネット一時ファイルの指定が最大1024MBのため、完全に無制限という訳ではありません。
次回は、このことを踏まえて、キャッシュさせないように制御をしてみようと思います。
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