こんにちは、田口です、今回はモバイルAIRアプリの動作検証としてモバイル版のAdobe Scoutを使い、デスクトップ版のScoutに接続してGPUメモリの変化を確認してみようと思います。
まずScoutの役割ですが、プロファイラーツールとなります。これにより、AIR(Flash)の内部動作を視覚的に把握できるようになり、アプリケーションの不具合を突き止めやすくなります。Flash Builderにもプロファイラーは付いていますが、ScoutはGPUメモリの消費も把握でき、これはFlash Builderにはない機能です。
モバイル版のScoutの役割は、デスクトップ版のようなグラフィカルなプロファイラー機能は持っていません。スマートフォン上で動作するAIRアプリを検知して、キャプチャーした情報をデスクトップPCに送信します。そのため、送信先としてScoutを起動しているPCのIPアドレスが必要です。また当然ながら、モバイルAIRアプリを動作させるスマートフォンはwifi設定をオンにして無線LANの環境が必要です。
モバイルAdobe Scoutを起動すると、このようにIPアドレスを求められます。(Android版)
起動して接続を「有効」にする
IPアドレスを知るには、Windowsの場合、DOSプロンプトにて、ipconfigと打ち込むをPCのIPアドレスを知ることができます。基本的に、そのアドレスを入力すると接続できるはずですが、なかなかどうして繋がらないことがあるかもしれません。Wifiで接続できるPCを持って入れば、Scoutを起動するPCにPINGが届くか、確認してみてください。私の場合、セキュリティソフトがアクセスを遮断してうまく繋がらないことがありました。
接続できました。
PCとモバイルのScout両方起動した状態で、スマートフォン上のAIRアプリを起動すると、PCにデータがどんどん送信され、CPU、メモリ、GPUメモリなどの利用状態が分かります。下の例は、良くない状態で、画面移動を前後繰り返すとGPUメモリがどんどん上昇している状態です。
増え続けるGPUメモリの使用量
次に対処した結果です。同じように画面移動を前後繰り返すと、メモリが解放され安定していることが分かります。
期待通りの動作
GPUメモリの消費は、Flash BuilderのプロファイラーやStarling.showStatsプロパティでは分からないため、Scoutは重宝します。そのほかガベージコレクションの発生したタイミングなど色々な情報を確認することができますので、特にStage3DでAIRアプリを開発されている方にはお勧めです。